妄想心酔図書館

鍵をなくした日記帳

紺碧の読書だより

最近の読書はほとんど佐藤春夫

「李太白」を一読してからこの作家の虜になってそれからというものこの人の本ばかり読んでる。ブックオフで買い込んだ大量の推理小説があるというのに。

でも今のわたしに必要なのはこの世あらざる幻想。タニス・リーを愛読するわたしにとって佐藤春夫の描写はもう本当うっとりする、凄い...

蛋白石(オパール)いろの河底とか草入り水晶、瑠璃、宝石の孤独な煌めきに

恍惚となる。

 

佐藤春夫全集(ちくま文庫)を読み始めてるけど「蝗の大旅行」が好き。主人公が“人間と蝗の対比”を考えるけど、実はそれほど違いがないと気づく場面が印象的。そして爽やかな別れで物語は終わる。

この人の作品を読んでると空、植物とか身の回りの自然に目を向けたくなるし、世界って美しいんだなぁとしみじみ感じる。